世界フィギュア女子の中継を見た。
最終滑走は中野友加里選手で
浅田真央選手の演技の興奮覚めやらぬ中
二重三重のプレッシャーをはねかえして
パーフェクトの演技をやってのけ
会場をさらなる興奮へと導いた。
その時荒川静香さんが
《誰かに勝つとか負けるとかではなく、ただひたすら自分の演技に集中したことで得た結果だ》と言う意味の解説をしていた。
それを聞きながら
ふと
最近イソップ物語の研究にはまっている、という知人の話を思い出した。
日本でもおなじみの《うさぎとかめ》で
うさぎがかめに負けた理由は
うさぎがかめのことを侮り油断したから、となっているが
よく研究してみると
本当はこの話の主題は別のところにあったらしい、と知人は言う。
うさぎは自分の目標をかめとの競争に置き
かめは自分の目標を山を登りつめることに置いた。
うさぎが負けた理由はそこにこそあり
油断してしまった、というのはその結果生じた事柄にすぎない、と知人は言う。
荒川さんの解説に通じてはいないか。
何かを極めたいと思う人間にとって
やはり最後に行き着く場所は
自分自身でしかない、ということなのだろう。
そのような舞踊家でありたい、と
まだまだ煩悩だらけの舞踊家としてはいつも思う。