日常のふとした隙間に
あなたとの『約束』の破片が見え隠れする。

生きていくには必要だった
人としての適当な垢を払い忘れているうち

私も少しずつ
『約束』を忘れていった。

遠い昔
私は何を約束したのだろう。
どんな契約をあなたと交わしたのだろう。

今ではもう思い出すこともできないけど

なにものにも変えがたい大切な存在が
奇跡のような出逢いが

『約束』の在処を密やかに主張してくる。

いとおしい温もりの
たまらないなつかしさに
記憶から取り残された優しい契約を
ぼんやりと探っている。