東京にも珍しく雪が降り
雪化粧、という日本語を久々に聞いて
なんだか改めて綺麗な言葉だなぁと思った。

私は出身が大分県なのだが
大分の代表的な方言に『よだきい』というのがある。
一説によると
昔殿様が「余は大儀じゃ」と言ったのが語源らしいが
意味としては『しんどい』とか『めんどくさい』とか『疲れた』とかいったところか。
が、どれも近いニュアンスではあっても
今一つドンピシャ!という感じの訳ではない。
大分出身の方ならご理解いただけると思うのだが
『よだきい』はあくまで『よだきい』で
標準語に訳して訳しきれない部分がある。
『よだきい』という感情・心持ちは
だから『よだきい』感じなんです、と言うしかない。

またいつだったか関西出身の友人に
大阪人の説明には4W1Hがない、という話を聞いて大笑いをしたことがある。
例えば誰かと映画を観に行った話を他人にする時
普通は『いつ』『誰と』『どこに』『何を』観に行って、『こんなふうに面白かった』と説明するものだが
それを大阪の人間にやらせると
『あんなー、昨日ダーッ映画行ってんけど、ワーッと人おってなー、しゃあないからガーッとコーラ買って、ダダーッと観てきてん。そらもうめっちゃおもろかったでー。(大阪の方、すみません、さぞ変な関西弁でしょうが、だいたいこんな感じ、というくらいしか私には説明できないので、ご容赦くださいm(__)m)』というふうになるらしい。
具体的な説明はほとんどなく
ほぼ擬音のみで成り立っている。
が、話を聞いて『そんなに面白いのなら私も行ってみようかな』と思わせるのは
わかりやすくて正しい標準語の説明より
確実にその擬音だらけのハチャメチャな大阪の説明のほうだ、とその友人は言っていた。
わかるような気もする。
大阪の方言の持ついきいきとした豊かさに
心動かされた経験は私も少なからずあるように思う。

私の大学での専攻は全く違うし
今現在も直接は関係のない仕事をしているが
いつかチャンスがあれば
改めて【日本語】を勉強してみたいなぁと思ったりする。

そう言えば最近つくづく納得しているのが『愛くるしい』という言葉。
語源や正確な意味は知らないが
本当に本当にいとおしい、と思うと
心が愛でいっぱいいっぱいになって
なんだか胸が苦しく感じてしまうことがある。
そんな感情をいだかせる相手のことを『愛くるしい』とは
よく言ったものだな、と
私なりの幼稚な感慨にふけっている今日この頃。