お天気に恵まれた今年の七夕
おそらく彦星様と織姫様の、年に一度の会瀬は無事かなったのだろう。
年に一度会えるか会えないかの恋人、なんて随分寂しいなぁと思っていたら
星の寿命は何億光年ととてつもなく長いのだから
その寿命からいけば「一年に一度」なんていう頻度はかなりのもので
つまり彦星様と織姫様は「なかなか会えないせつない恋人」どころか
「間を開けずにしょっちゅう会ってるかなりラブラブの恋人」ということになる、という(笑い?)話を聞いて
なんだか妙に納得してしまった。
人間にとっては長いように感じる時間でも
星にとってはとるにたらないあっという間の時間なのかもしれない。

そう言えば、「たった半日」留守番をさせられただけで
家中にイタズラをしてしまう困った犬の話を聞くことがある。
そんな時の犬は
家族を探して家の中をさんざんうろうろし
誰もいないことがわかると
「どうして自分も一緒に連れていってくれないんだ」
「なんでひとりぽっちにするんだよ」という不満と寂しさで胸がいっぱいになり
してはいけない場所でわざと粗相をしてしまったりするらしい。
人間にとっての「たった半日」が
犬にとっては耐えられない長さのものであり
あとで叱られるとわかっていても
その「耐えられない」気持ちをイタズラという形で現そうとするのだろう。

「○○にとっての●●」ということに関して
度を越した無理解や無関心が原因で起こるトラブルは以外に多い。
例えば家庭や学校で虐待やイジメを受けている子どもにとっての絶望、苦痛
(贅沢品として盛夏にエアコンを取り外すことを市に強要された)生活保護受給老人にとっての身体的限界、などもそうだ、と言えなくもない。。
「まさかそれで死ぬとは思わなかった」というのが、加害者の立場になった人から漏れてくる本音としてよく耳にする言葉だ。

チャゲアスのASKAさんのソロ曲の中に「君にとって大事なことが いつからか 僕にはそうじゃない あんなに好きだった君なのに」という歌詞のものがある。
大好きな人にとっての大切な日や事柄が
自分にとってもそうであるとストレートに感じられる、
理解できないまでもそれを尊重し、寄り添っていこうと心から思えるのは
「自分にとっても」幸せなことだな、としみじみ思う。