着物で街をウロウロしているとよく声をかけられる。
残念なことに(?)女性か外人ばかりだが。
そのほとんどは私の親のような年代の御婦人方で
たいていは
〈着物はやっぱりいいわねー。〉というもの。
着物を着ることが著しく非日常じゃない世代の人達にとって
私のような(彼女達から見ればまだ若い)年頃の女性が着物を着ている、
しかもここ一番の晴れ着としてではなく日常着として着ている、ということが
なんとなく声をかけたくなる理由らしい。
ところで最近はそういう御婦人方ばかりでなく
私よりはるかに若い世代の女性達に話し掛けられることがしばしばある。
とくに夏、浴衣に半巾帯の時。
彼女達の声のかけ方はストレート且つ具体的で
〈すみません、その帯はどういう結び方をしてるんですか?〉
〈そういう浴衣はどこで売ってるんですか?〉
〈その着物はなんていうんですか〉などなど。
最近ファッション紙などでも浴衣が特集されたりして
日頃着物とは無縁の若い女性達も
洋服に近い感覚で浴衣を楽しむようになってきたことの影響だと思うが
着物が仕事着の舞踊家としては
こういうふうに話し掛けられることはとてもうれ
しい。
着物を着ることが
《苦しきことのみ多かりき》の修行のようになってしまってはつまらないし
楽しさがなければ着る意味がないと思う。
美しく着る、
美しく立ち居振る舞う、のはその次の段階の話だ。
多少乱暴な着方をしてようが
個性的なコーディネイトをしてようが
まちがいなく若い彼女達は着物を楽しんでいる。
それがどのような楽しみ方であっても
少なくともスタートラインに楽しさがなければ
次の段階への興味も産まれない。
声をかけてきてくれた若い女性達の中で
一人でも二人でも
着物を着た時の美しい所作、
つまり日本舞踊に興味を持ってくれたらいいなぁ・・、と思う。

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