今日くらいの気候だと
着物でウロウロしていても快適だが
去年の夏だったか
最高気温が34度とか35度の日に
やはり着物で歩き回っていて
あまりの暑さにタクシーを拾ったところ
乗り込むやいなや
やたら上機嫌の運転手さんに
《いいですね~、着物は涼しそうで~。どちらまで~?》
と言われ
めんくらったことがあった。
《浴衣ならともかく、ここまで暑いと着物も大変なんですよ~》と
汗だくだくで答えようとしたのだが
ふと
なんだかうれしくなってしまって
ごく自然に《ありがとうございます!》という言葉が口をついて出た。

【やせがまんの文化】ではないが
自分の着ているあさぎ色の紗の着物を
涼しげ、と感じてくれた
事実は目眩がしそうに暑くて
ジュバンまで汗びっしょりだったとしても
そのように感じてくれた運転手さんの気持ちがなんとなくうれしくて
ここはいかに自分が暑くて不快だったかを説明するよりも
すなおにお礼を申し上げてそっと汗を拭こう、と思ってしまったのだ。
みえっぱりと言えばそうなのだが
こんな【やせがまん】ならしてもいい気がして
衿を正して
涼しい顔をして
優雅(なつもり)に夏扇子など使っていたら
タクシー内の冷房も心地よく
やがてすっかり汗がひいてしまった。

いつも《あ~あづい~、あづい~》、と叫びながら
バタバタと着物で走り回っているのだが
その日は運転手さんに
着物の優雅さみたいなものを改めて気付かせていただき
あ、やっぱりちゃんとしてなきゃな、と思った。

これから盛夏。
夏の着物を着て
涼しげにキリリと過ごすことが目標だが
ま、現実は人一倍汗かきの私のこと
かなりきびしいんですがね・・。

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