雨降りの朝のラッシュアワー、
地下鉄乗り場に続く駅の下り階段、
立錘の余地もない上に蒸し蒸しとした湿気の多い空気の中、
それでも皆ちゃんと並んで順番に階段を降りている。
が、それにしても歩みが遅すぎる。
と言うよりほぼ停止に近い
なぜだろう?と思い、ひょいと前方をのぞいてみたら
少し先の階段の途中で
若い母親とおぼしき女性が
自分の子供らしきヨチヨチ歩きくらいの幼児に
「ほらほら、ちゃんと手すりをつかんで、一段ずつあわてないで降りるのよ~。」などと言いながら階段の降り方のトレーニングをしていた。

なんだかぞっとした。

あきらかに苛ついている周りの人(特にスーツを着た出勤途中のビジネスマン風の男性達!)の殺気だったオーラを微塵も感じることなく、あるいはまったく無視して
あろうこてか「【混んでるから】気をつけて~」という台詞まで吐きながら
ぎゅうぎゅう詰めの人の流れを止めて娘を教育する母親。
今何をすべきか、すべきでないか、公共のルールやマナーにまったく無頓着な母親。
彼女自身がどんな人間であろうと、(ちょっと乱暴な言い方をすれば)知ったことではない。
残念ながらその母親のような人はごまんといる。
私だって似たようなものだ。
その母親がどんな価値観を持ってどのような生き方をしようが
自分で責任を負えばいいだけのことだろう。
が、その時その状況でそんな行動をした場合
万一何かのきっかけで周りの人の我慢と理性の糸か切れてしまった時(そんな状況もいかがなものかとは思うが)
一番危険にさらされるのはまだ自身の判断力も持たない、歩くのもおぼつかないその幼児ではないのか。
私には我が子をわざと車道に押し出す母親のようにしか見えなかった。
案の定、その親子が階段の一番下に着くか着かないかのタイミングで
しびれを切らした乗客達が母親に体当たりするような(実際当たっていた人もいたような?)勢いで親子を追い抜いていった。
人の流れに従って私も押されるようにそこを過ぎたのでちゃんとは確認できなかったが
かろうじて押し寄せる人の荒波からのがれたのであろうその親子の、最後に聞こえた声は「よくできたわね~、○○ちゃん」だった。

ふと
モンスターマザーという言葉が頭をよぎった。


カテゴリー:ブログ | コメント(2)