映画〈かもめ食堂〉。

強くてやさしいけれど
自分で持て余すほどの孤独をかかえた人たちが
ゆるやかにおだやかに再生していくドラマ。
誰かが誰かを劇的に助けたりするわけでもなく
思いもよらないどんでん返しがあるわけでもないが
寂しいけれどその寂しさをウリにしない程度に大人の人間達が
ごく自然にひかれあい
お互いがお互いに少しづつ影響しあいながら
自らの勇気と覚悟で心の温度を上げていく。
整然としてきれいだけど
どことなくかたくなな雰囲気で客の来なかった食堂が
店にかかわる登場人物達の心があたたまっていくのに比例するように客が出入りするようになり
ついにある日満席に。
トランクいっぱいの黄金色のきのこや
ムーミン谷のにょろにょろ達の話
主人公の特技である合気道の精神の話など
ドラマのメッセージを暗示するモチーフがたくさんちりばめられている。
ムーミンはカバではなく実はフィンランドの妖精だと聞いたが
片桐はいりさんがおっちょこちょいの寂しい妖精のような役回りで可愛い。
どおってことない淡々とした映画だけど〈いい感じ〉が残った。

コメント

  1. kinsuimi より:

    やっぱり

  2. kimiko より:

    私も以前見て、ついつい引き込まれました。
    なんて事ないのですが、穏やかに流れてゆく時間・・・癒されますよね

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