電車にて。

ラッシュにさしかかった頃の電車に乗り
たまたま空いた座席に座ったところ
あとから上司♂と部下♀とおぼしきカップルが乗り込んできた。
二人は私の前に立つと(というか満員の乗客に私の前まで押されてきた)
荷物をすべて網棚に載せ
その上で
上司は新聞を、部下はパソコンを手に取った。
そして二人ともつり革につかまらないまま
上司はその新聞をフルに広げ
部下は片手でパソコンのボディを抱え込み、片手でキーボードをいじりだした。
混み合った電車内で新聞をフルオープンにするのは、女性が電車でフルメイクをするくらい眉をひそめられることだろうが
それよりもなによりも
部下の女性が広げたパソコンのカバー(画面)の端は私の顔10センチくらいのところをユラユラしていて
ハイヒールを履いた彼女が電車の揺れに耐えきれずよろけた時は
私は間違いなく堅いパソコンの餌食になりそうで気が気でなかった。
それほどまでに一刻を争う仕事でもしているのかというと、どうやらそうでもないらしく、
彼女はパソコンの画面にさしたる興味もなさそうに、時々車窓に目をやったりしながら
キーボードはまさに「よそ見をしたまま手持ちぶさたでいじっている」という状態だった。
隣の上司はと言えば
回りのサラリーマン風の客達の迷惑そうな視線もいっさい感じとることなく新聞を読み続け
さらに
おそらく仕事にはまったく関係ないだろう(?)記事を、パソコンを広げたまま所在なげな部下に見せ
あたりに聞こえよがしの大きな声で
その記事についてのうんちくらしきものまで語り始めた。
 
この上司にして、この部下あり、だ。
 
その後パソコンで顔面負傷させられるのが恐くなった私は さっさと電車を降りたのだが  
よほど特殊な職種でもないかぎり
どう見積もったところで仕事ができそうにもない二人に私には思えた。
 
 
 
 
 
 


コメント

  1. kinsuimi より:

    このお二人の話には実はまだ続きがあるの。
    また今度ね~。

  2. ちどり より:

    間違いなく
    仕事はできない!
    ウチの会社にも似たような人種がいますわ。
    あ、考えただけでも頭が痛い。

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