ある二通りの生き方のことを考えてみる。
同じ志しをもって一生を歩き始めるとして
少なくとも同じスタートラインに立てたものどおし
きっとお互いあふれんばかりの才能も若さも、ほぼ等しく持ち合わせている。
が、何年も何十年も歩き続けて
ある日ふと気がつくと
同じ道を歩いていたはずなのにいつの間にかまるで別の道になっていて
お互いの背中や顔を感じながら歩いていたころに戻りたくても戻れないくらい遠くまで来ている。
先んじている、遅れている、の差ではなく
全く異なった景色を見ることになる差。
この差は何か。
始まりはたぶんほんのちょっとの心構えの違いだったのではないかと思ったりする。
何かを大切に思う気持ち
何かに真摯に向き合う気持ち
何かに誠実に応える気持ち
そんな心構えがほんの少し相手より深いか浅いか。
始まりのそのほんの少しの心構えの差が
歩き続けるなかで些細な選択の違いを生み
ちょっとずつちょっとずつ道が別れていく。
当然のことながら、道が別れればそこで出会う人も、影響をうけるものも違ってくる。
選択や決断の違いはより顕著になり
加速度的にどんどん道が開いていって
最後に到達するゴールが随分異なったものになってしまう。
どのゴールがいい、悪いの問題ではないが
ただ、歳をとればとるほど、つまり歩いた距離が長ければ長いほど
一分一秒をどんな心構えで過ごしてきたかの「積み重ね」は
想像以上の結果を呼ぶものだ、とつくづく思う。
さて、自分はどんな心構えをどれくらい持ち合わせて過ごしているのか。
基本ズボラな我が身を振り返り
改めて、日々の「積み重ね」の凄さや怖さを思う。
※アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」にて