私とハチのお誕生日は同じ9月14日。
正確に言うと
〈生まれたばかりのこんなネコがいて里親を探している〉という電話をいただいたのが
4年前の9月14日だ。
ハチは初対面の人間でも全く警戒しないどころか
会った瞬間から友好モード全開の愛されキャラだが
意外にもヤツの生い立ちは結構悲惨だ。
4年前あるペットショップの前に
へその緒がついたままの3匹の赤ちゃんネコが
ビニール袋に入れられ
母親の胎盤ごと捨てられていた。
ショップの店員さんが見つけ
あわてて処置をし暖めてあげたことで
なんとか3匹とも死なずにすんだ。
その3兄弟のうちの1匹が今のハチ。
とりあえずしばらくは緊急避難的にそのショップで育てるにしても
飼ってくれる里親を探さなければ、ということになったのだが
その店員さんのご友人が私のお弟子さんのKさんのお嬢様だった関係で
〈筋金入りの動物好き、の先生なら飼ってくれるかも〉ということで
私に白羽の矢が立ったというわけだ。
それから一ヵ月が過ぎた頃
ハチが我が家にや
ってきたのだが
その後の私の聞くにたえない飼い主バカっぷりはご承知のとおり。
そんなわけで悲惨と言えば悲惨なのだが
ハチの悲惨な運命は生まれてからの何時間か(?)のみで
ペットショップでも店員さん達にさんざん可愛い、可愛いとかわいがられ
我が家にやってきてからも
私の(ヤツにとっては時々やや迷惑なくらいの)過多な愛情に見守られ(または付き合わされ?)
ハチのまわりにはいつもホワホワとたくさんの愛情が浮遊していた(と私は勝手に思っている)。
ハチはだから他者に愛されることも
また自らの愛(?)を主張することも
あたりまえのようにごく自然に受け入れる陽気で甘えんぼのネコになった。
ハチのまわりではいつも
愛情がいっぱいつまったシャボン玉みたいなものが楽しそうに飛び回っている。
時々お得意のネコパンチで割ってしまうのだが
次々に新しい愛色のシャボン玉が生まれてくる。
そしていつのまにかハチ自身が
そのシャボン玉の発信元になってしまった。
だから
おこがましくもハチを幸せにしてあげてるつもりの人間が
ふと気付くとハチにやさしい気持ち
をもらってたりする。
私の中のハチの佇まいはそんなイメージ。
ハチ、お誕生日おめでとう。
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