のどかなネコトピックが続くが
我が家の飼いネコ・銀次くんはもともと保護ネコで
銀次くんが赤ちゃんの時に保護してくださったお宅では、「桜丸」という誠に風雅な仮の名を授けてもらっていた。
当時の桜丸くんは、兄弟姉妹のご飯争奪戦に参加することもなく
育ち盛りの赤ちゃんネコ達の戦場跡で、ことがおさまったのちにそっと出てきて、ゆっくりと食すような子だったらしい。
特に具合が悪いわけでもないのに食べる量も控えめだった桜丸くんは身体もいちばん小さく
保護してくださった方も随分と心配して、目が離せなかったとおっしゃっていた。
おかげでなんとか無事に育った桜丸くんだが
その大恩ある「実家のお母さん」によると、桜丸くんはその名のとおり、貴族のように(?)優雅で上品でおとなしく、のんびりした空気感のネコだったとのこと。
4ヶ月になった頃うちに引き取ることになり
名前も「桜丸」から「銀次」という、まるで無宿渡世人のような渋いものに改名させていただいたのだが…
すると
のんびり、はともかく、あの「優雅で上品でおとなしかった」桜丸くんは文字通りの猫かぶりだったのか
まぁ、しゃべるわしゃべるわ
「遊んで❗」「片付けて❗」「これちょうだい❗」「あれやって❗」などなど
こんなにストレートで明確な意思表示をしてくるネコもいるのか…と
ネコ飼い歴の長い私でもびっくりするくらいのおしゃべりネコになった。
しかもなかなかの演技派で
ヤル気満々の声、あわれっぽく今にもくずおれそうな声、あきらかに「扱いが不当です」と主張しているかのようなふてくされた声、「やったー⤴️やったー⤴️やったぁぁぁ⤴️」と全身ではしゃいでいるような声、などなど…
自由自在に七色の声を使い分けて、思い通りに人間を操ってくれる(操られている人間のほうの問題はさておき)。
桜丸くんの時代は、その典雅な名前に恥じない自分でいよう、という矜持でもあったのか
いやそれよりも、自分の命の恩人でもである、実家の優しいお母さんへの尊敬と感謝の思いもあって、おだやかな立ち居振るまいをしていたのか
とにかくあの頃の桜丸くんは今何処、流行りの「あざと可愛い」を地でいくお騒がせキャラに完全にシフトチェンジしてしまった。
おかげで来る日も来る日も賑やかでせわしないが
そんなおしゃべり銀次くんに振り回される日々を「楽しい」と思っている甘々飼い主なのだから、なんだかんだ、めでたいことこの上なし、である。
そして当然のことながら
そんな銀次くんなので稽古場への出入りは厳禁。
弟子達の中にはネコ好きもいるが
なかなが「噂の銀次くん」には会えずにいる。
※アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」にて
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