5ffdaaaa.jpg少しオーバーに言えば
夜寝るためと、朝食事をするための間だけ在宅していた新作公演の稽古期間中
ハチが早朝やたら大声で鳴きまくっていた。

ハチが大声で鳴きまくる時は
当然のことながら何か強烈に訴えたいことがある、ということだ。
まあ、たいがいは奴にとってはオオゴトでも
人間にとっては「何もそこまで・・」という類いのことで
たいていは
「ウンチしたの、ウンチしたの、トイレ今すぐ綺麗にして~(ビロウな話ですみません)」 か、
「お腹すいたの、お腹すいたの、我慢できないの、今すぐご飯ちょうだい~」のどちらかだ。
ネコにとっての一分は人間のそれよりうんと長いのだろうから
どんなに疲れていても
ハチが鳴きだしたらとりあえず飛び起きて
餌とトイレをチェックするのが
ほぼ条件反射みたいになっている。
甘々と言われそうだが
つまりそれくらいハチが強く鳴く、というのは珍しいことで
夜中寝ている私のお腹の上に「わーい(^O^)!」という感じでダイビングしたり
顔をグイグイ押し倒したりして
まさに傍若無人にたたき起こし
その時その時の自分の気分にあった寝場所(私の顔の真横だったり、腕枕だったり、足元だったり・・)を確保するのが奴の楽しみの一つではあるらしいが
普段はとろけそうな甘えた声(←女性としては見習いたいくらいの甘さ。たいがいのおねだりは叶えられると思う・・。)で鳴くパターン以外、あまり鳴かない奴なのだ。
だから早朝からあまりに強く鳴き続けると
「何事か!」と飛び起きてしまうのだ。

で、話を元に戻し
新作公演の間
ハチは毎朝のようにこの『何か訴えたいことがある強い鳴き方』を披露してくれて
私も疲労困憊の中、毎朝のように「何事か!」 と飛び起きて
トイレとご飯をチェックしたのだが・・。
どちらもハチのご機嫌を損ねる状態ではないのが常で
最初は意味がわからなかった。
ある日「大丈夫じゃん、どうしたの、ハチ?」と聞くと
気のせいかハチがニヤリとほくそ笑んだように感じた(ホントなんです、ホントにそう感じたんですぅぅ)。
いまさら寝直すともう起きられない危険があるので
しょうがなくそのまま予定より2時間も早く起きて
ポーっとしながらコーヒーなど飲みはじめると
ハチはピタリと鳴くのをやめ
満足そうに私の横で寝そべってゴロゴロと喉を鳴らしはじめた。

そこで初めて気づいた。
ハチはただ起こすために私を起こし
朝の時間を一緒に過ごしたかったのだ(なーんてまた飼い主バカの希望的観測だが)。
その証拠に
新作公演が終わってここ何日か少しは在宅できるようになったとたん
奴の早朝大鳴きコールはきれいさっぱりなくなった。

忙しい時ほど睡眠時間は確保したいものだが
人間の都合など関係なく、忙しかろうが暇だろうが自分と過ごす時間はちゃんととっていただきます!という俺様キャラが
ネコの最もネコらしいところ。
いつもはいろんな意味で『限りなくイヌに近いネコ』と言われているハチだが
今回ほどハチのネコらしいわがまま(?)が愛おしかったことはない。
例によって飼い主バカ全開のつぶやきだが
すっかり落ち着いたハチを見ながらそう思った。