調べたいことがあって某区内の中央図書館に行ってきた。
本の山を見ていてふと子供の頃のあるシーンを思い出した。
社会だか歴史の授業で
《国王が自分のために巨大な墓を作り・・》という内容の記述を教科書で読み
お墓というのは死んじゃったら入るもので
しかもそのお墓は自分以外の誰かが用意してくれるものであり
自分が生きている間に自分の墓を見る、なんてことはありえない、と
なぜか思い込んでいた私は
どうにもその記述が腑におちなかった。
今のイケズーズーシー私からは想像できないだろうが
その疑問を先生に質問する勇気など当時の私にはなく
割りきれない疑問をかかえたまま授業は進んでいった。
そんなある日
父の書斎で
歴史大事典、という類の分厚い本が並んでいるのが目に止まった。
私は坿に落ちないと感じた、墓についての記述があった時代の本を取りだし
ページをめくったみた。
すると
1ページを全面使った、国王の墓作りの模様を描いた挿絵が目に飛込んできて
その絵の下に
《王は自らの権威を知らしめる意味もあって、生前から多大な財と人手を用いて巨大な墓を作った》という内容の解説が書いてあった。
コントならここで
タリラリラーンという鐘の音が鳴り響くところで
私は《そういうことかぁぁぁ》と一人納得しまくっていた。
解らなかったことが解るようになる
どうにも坿に落ちないで、釈然としなかったことが解決する(内容はただの思い込みから、なのでかなり陳腐なのだが)快感を知った瞬間だったらしく
よほど衝撃的だったのか
今でもその挿絵や
大事典のグレイのハードカバーをよく覚えている。
ところで
今の図書館って本検索はもとより
IDカードで貸し出しも予約も全て人を通さずにできるんですね。
便利になったものです。
大学の図書室のカウンターにいた
本の知識ならまかせなさいっていうおねーさんやおにーさん達とお話するのも楽しかったけどな。