2017年 3月 の投稿一覧

ブラジル紀行。

ブラジルに行ってきました。

羽田からフランス・シャルルドゴール空港経由でリオデジャネイロへ。シャルルドゴールまでが11時間、シャルルドゴールで5時間待って、そこからリオまでが11時間。さすがに地球の真裏は遠ーーーーいなぁぁぁぁぁと実感。しかもシャルルドゴールに着いたら、いきなりリオ行きの飛行機が8時間のディレイ!

シャルルドゴール空港

突然フランスに入国・1泊することに。人生発の花のパリ(古いか…)を満喫する暇もなく、翌朝早くに空港へとって返し、リオへ。時差調整のためにリオに着いてからの半日を空けていたのですが、ディレイのためその半日はスキップ…。滞在初日はタイトなスケジュールになりましたが、旅につきもののアクシデントもまた楽し、です(^o^)。

翌日、まずはランチにシュラスコをいただきました。

意外なくらいクセがなく、日本人にも(というか、好き嫌いの多い私にも)馴染みやすく、美味しいーーーー!!いろんな部位のお肉を持ったスタッフが各テーブルに入れ替わり立ち替わりサービスに来てくれます。食べたければ自分のトングでお肉の端を持ち、好みの量をその場で切ってもらいます。楽しい!!

シャラスコ

それにしてもブラジルの「大きさ」の定義がイマイチつかめない…。「少しでいいです」と注文するのですが、日本だとオシャレなレストランのオシャレなステーキの量くらいあるような…。スケールが違います。

スケールデカいと言えば、コルコバードのキリスト像!!

オリンピック中継でさんざん見て、「大きいなぁー」とは思っていましたが…。その足元まで行ってみて、なおビックリ!!大きすぎて遠近感の感覚がショートしそうでした。

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その後夕食まで少し時間があったので、ホテルの目の前のコパカバーナビーチを歩いてみました。

コパカバーナのビーチ

夜、サンバカーニバルへ!!

リオの人達は1年をこのために生きている、というのがよくわかりました。想像以上の、というか、想像しようもないスケール、エネルギー、魂の解放。

カーニバルの間、リオの町では音楽があちこちで鳴り響き、その音楽に合わせて皆が踊りだすのですが、一方でカーニバルに参加するチーム(なんと1チーム何千人、の規模です)の出し物に関しては、それぞれちゃんとテーマがあり、ストーリーがあるんですね。審査の課題も明確に、そして沢山ある、ということ。ただひたすら踊り狂うわけではないと、初めて知りました。

山車はほぼビルとしか思えない大きさ。

サンバカーニバル

サンバカーニバル

翌日、国内線でサンパウロへ。日本人がリオより多いとのこと。

そして行ってきました、イグアスの滝!!ボートツアーは滝に近すぎて何がなにやら。滝の裏側まで入っていくため、「ちょっと濡れます」どころではなく、滝つぼに投げ込まれたレベルのびしょ濡れで、あまりの飛沫に目なんて開けていられません。「ボートツアーは水着でどうぞ」の意味、ボート乗り場でガイドさんが「Have a nice shower !」と言って送り出してくれた意味を死ぬほど納得しました。ボートツアーののち、滝周りを歩き、ブラジル側からの景色を一望してみて、初めて滝の姿を確認できました。ここでも感じた超ド級のスケール感!!写真下に見える小さなボートで奥の滝の裏側まで行った、ということです…。そりゃ何がなにやら、になりますね。圧倒的な迫力でした。

イグアスの滝

昔、イグアス川の悪の神ムボイに生贄として差し出されそうになった村の娘が恋人とカヌーで逃げ、怒り狂った神は大蛇に姿を変えて二人を追いかけ、その怒りのあまりイグアスの川を引き裂いたそうです。幾重にも引き裂かれた川が滝になり、娘はその滝の岩に、恋人はヤシの木に姿を変えられたそう。この仕打ちに二人を可哀相に思った善の神が、よく晴れた日に滝に虹をかけ、岩と木の間を結ぶ、という伝説があり、その虹を見た人は幸せになる、とのこと。残念ながら、私達は虹どころかスコール一歩手前の雨に見舞われ、ロマンチックな伝説云々などぶっ飛びっぱなしでしたが…。が、そのサバイバル感満載のイグアスもまたワクワク(^o^)でした。

サバイバルイグアスツアーを終えて、再び国内線でサンパウロへ。

最終日はサンパウロ美術館に行ってみました。

ここではなんとすべての絵画を壁に展示するのではなく、天井から吊すようにして展示しています。つまり絵画の裏側も見られるのです。解説やアーティストの名前もすべて裏側に記されていました。かつ写真撮影自由(これは海外の美術館は多いそうですが)。           

サンパウロ美術館

モディリアーニの名画もこのとおり。  

モディリアーニ

モディリアーニそして、その前でしばらく身動きできなくなってしまうほど心を揺り動かされた絵画がありました。カンディド・ポルチナーリという画家の作品で「Dead Child」と「Northeastem Migrant」。タイトル通り、空前絶後の干ばつに苦しみ、移住を余儀なくされた移民達の悲痛や嘆きを独特のタッチで画いたもの。

カンディド・ポルチナーリ

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感動した、というより、目をそらせなくなってしまった、という感覚でした。どうやら20分ほどその絵の前で立ちすくんでいたそう。無調法者なので私は知りませんでしたが、ブラジルでは教科書に作品が掲載される画家だそうです。

あっという間、だけど濃かったブラジルの旅。今まで馴染んできたり見知ってきたりした感覚とはまったく違うものがどんどん心や身体に入ってきて、新鮮な驚きの連続でした。

帰りもサンパウロ→フランス→東京。ディレイもなく、順調に羽田に着きました。シャルルドゴール・羽田間を強引に眠り、しっかり時差調査したつもりでしたが、恐るべし、地球の真裏のジェットラグ…。やっぱり完全復帰まで4、5日かかりました。

結論・地球は広い!!

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ハチのこと。

昨夜またハチの夢を見た。

ハチは亡くなってから、よく夢で会いにきてくれる。

「会いにきてくれた」という表現を使いたくなるほど

(7キロ近くもあった)ズシッとしたハチの重みや、毛並みの柔らかさ、ピンクと黒の鼻の湿り具合いや、ネコ独特の肉球の匂いまで、夢の中で感じている。

ただひとつ、お世辞にも「鈴を転がすような」とは言えなかった、ハチの野太い鳴き声だけは聞こえない。

なぜかずっとミュートがかかったままだ。

そして私はいつも夢の中で「ああ、また会えたね、ハチ」と思っている。

で、昨夜の夢の話。

夢の中で私はふと目覚める。枕元にはハチがいて、確かにハチなのだが、うんと若いころのハチだ。まだほっそりとして、子どものころの面影が残っているような顔。

すると、足元でなにやらゴソゴソする。「なんだろう??」と思って布団をめくると、小さなペット用のベッドに、黒白カラーの赤ちゃんネコが8匹ほどギュウギュウ詰めになっていた。

「ハチの子供たちだ!」と思い、その中の1匹を抱くのだが、そこでハタとハチは去勢していた、と気づく。「あれ?ハチ、ハチはお嫁さんもらっても子どもはできないんじゃなかったっけ?」と、ハチに問いかけようとするあたりで本当に目が覚めた。

そして目覚めたのち、「あ!だからハチはうんと若いころのハチの姿だったのかな?まだ去勢する前のハチだったのかな?それならお父さんになれるもんね!」と、なんとも妙な納得をしてしまった。

ハチが逝ってしまってからしばらくの間、ハチの夢を見た朝は、恥ずかしながら目覚めたとたん号泣する、ということが何度もあった。

今でもハチのことを想うとはからずもポロポロと涙が出てきてしまうことがある。

ハチがいない、という現実に、もう二度と会えないという現実に、永遠に解けない疑問をかかえこんでしまったような、メビウスの環を歩き続けているような、どうしようもない息苦しさに見舞われたりもする。

が、最近

時が経って

私の中でのハチへの想いが少し変わったように思う。

会いたい、会いたい、でも絶対に会えない、という現実と向き合う苦しさは変わらないし、むしろ時が経てば経つほどその苦しさは増すのだが

それと比例するようにして、私の中で何か、口で説明できないような、感情というか感触というか、心の温度みたいなものが生まれつつあるように思う。

苦しさが深くなればなるほど、心の温度は上がっているような。

うまい表現が見つからないが、あえて言うなら「ハチがくれたもの」の大きさ、深さを、胸の奥でただひたすら感じている、というか。

いつかそれをうまく受けとめられる日がくるのかもしれないが、今はうれしいのか哀しいのか、痛いのか心地いいのかわからないまま、ただただ感じることしかできない。

が、ハチがいなくなったばかりのころにはなかった何かが、確実に私の中に息づいたようには思う。

最近よく、ハチという生き物はなんだったんだろう…と考える。

もちろん骨と肉があって内蔵があって血が流れていたただのネコという動物だった、ということくらいはわかっているのだが

時々

ハチは、骨や肉なんかじゃなくて、何か違うものでできてたんじゃないかな、

あの小さな身体(ネコにしてはデカかったけど)で、ハチは何をどれくらい抱えて私のところにきてくれたんだろう…と

何か不思議な生き物を見るような想いでハチのことを考える。

私は今でも一日に何度も「ハチ、愛してるよ、大好きだよ」とつぶやいている。

ペット相手に、そんな赤面もの、かつツッコミどころ満載のような言葉を大まじめにつぶやく私のことを、神様のもとで思い出しもしないくらいハチが幸せだといいなぁ、と心から思う。

1年前の明日はハチが旅立った日。

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