ため息。

光輝いているような
色あせているような

あの頃。

幾重にも折りたたまれて
片手に収まるくらい

小さく固まってしまった

あの頃。

手から解き放してしまうと

忘れかけていた

あの頃が

にじんでくる。
輝いているなら陰が深く
あせているなら哀れで

手の中でギュッと

しわくちゃになるほど

にぎりしめる。
借り物のようなやさしい巣箱で

ちっぽけな安堵と沿い寝しながら

胎児のように膝をかかえて
あの頃と

今の狭間の夢を見た。

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