創るということ。

歌舞伎座が終わり

稽古場は来月の浴衣会に向けてあわただしくなってきました。

8月には創作の舞台(8月25日於・赤坂区民ホール)、

さらに9月5日には

所作指導を担当させていただいた草剪剛さんと新垣結衣さん主演の東宝映画《Ballad》が全国公開されます。

今年の後半をより密度の濃い半年にできるように

《自分が自分であること》をいつもいつも心に置いて

大切に過ごしていこうと思っています。

ところで創作の舞台が近付くたび

亡くなられたある先生からいただいたお手紙の一文を思いだします。

《何かを創りだすというのは本当に大変なことですよね。でもそれでも創らずにいられない。だって【創る】って素晴らしいことですもの。》

私は今でもこの言葉を思い出すたび胸が熱くなります。

何かを0から創りだすというのは本当につらくてしんどいことなのですが

でも同時に幸せなことでもあります。

先生のおっしゃる《創るって素晴らしい》の真意を

若輩者の私がどれほど理解できているのかははなはだ疑問ですが

自分の世界を生み、育て、伝えることの意味を追求していく、ということは

自分自身を追求していくことにつながるような気がします。

まだまだ気が遠くなる程未熟な作品しか創れない私ですから

お恥ずかしいかぎりで

あまりわかったふうなことは言えないのですが

自分で0から創ってみてはじめて

長く愛され、受け継がれていく古典の素晴らしさ、難しさが理解できることもあると考えています。

創作の勉強は

古典の研究とともに

私にとって大切なものです。

《創るって素晴らしいことですもの》という先生の言葉を

いつか自分の言葉として

胸に秘めることができる日が来るといいなぁと思っています。

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