人の性根というのは
いつ頃どのように作られるものだろう。
何を信じ
どんなふうに心を解放するのか
それは生まれた瞬間から持ち合わせているものではないはずだろうに。
ひとりの人間をとりまく環境がただのお飾りに成り下がる程の
絶対の【血】というものがあるのなら
それは悲劇であり
また逆に
無限の可能性を秘めている、とも言えるのかもしれない。
死にものぐるいで愛してあげなければ。
最初の最初、
裸のままの、
何でも受け入れてしまう無防備な心は
誰かが
何が何でも
無条件に
命がけで愛してあげなければ。
愛し方さえ間違えなければ
《愛された記憶》は
どんな人間の性根をも
ふっくらと柔らかにしてくれるものだろうと
思っていたい。
《愛された記憶》よりももっと強い魔物のような寂々たる記憶が
体中で叫び声をあげるのを持て余している人間がいるのであれば
その血に刻まれた【何か】が
どんな威圧的な支配者にも屈することがない程
タフで
また同時に
柔軟であってほしいと
願っている。