愛称。

979f2b9d.jpg新作公演『かぐや』再演の稽古も佳境。
初演の時には50名程で演じていたものを、今回10名でやらせていただくので
つまり一人一人がほぼ出づっぱりの状態になるということ。
頑張らなくちゃ~。
ところで先日のお稽古の帰り
皆で振付の先生に食事をご馳走になり
そこでペットの話になった。
先生は愛してやまないご自身のネコちゃんに、とてもユニークでセンスの良い愛称をつけていらして
皆で思わず爆笑してしまった。
そういえばうちの『ハチ』も愛称で
ヤツには実は『はっとりくん』という立派な(?)本名がある。
ハチの模様が忍者の頭巾に似ていたので
『忍者はっとりくん』から『はっとりくん』と命名し
自分としてはかなりお気に入りの名前だった。
はっとりくんがわが家の一員になってしばらくしたある日の夜
当時住んでいたマンションのゴミ集積倉庫にゴミを出し
4階の自分の部屋に戻るためエントランスホールを横切ろうとした私は
ホールの自動ドアの前にチョコンと座っているハチを見つけ、大パニックに陥ってしまった。
なぜならエントランスの外は車の往来のある道路だし
なにより生まれてから一度も外に出たことのないハチなど
ちょっと駆け出してしまえば間違いなく迷子になってしまうことが明々白々と思われたからだ。
が、いったいどうやって部屋の玄関ドアを開けたのか、仮に開けられたとして、どうやってエレベーターのボタンを押したのか、
冷静になって考えてみればありえないことで
つまりそこにいたのはハチにそっくりな近所のノラネコで、ハチではなかったのだが
一瞬にしてドパニックになってしまった私にそんな冷静な考えかよぎるはずもなく
私は「はっとりくん!動いちゃダメ!」と言いながらハチそっくりのネコに走りよろうとした。
が、案の定そのネコはキビスを返し
開き始めた自動ドアをスルリと抜けると、表の道路に消えていった。
私がどうなったか、だいたい想像していただけると思うが
ご想像のとおりまさに半狂乱でハチを探した。
が、例えば『タマ!』『ぽち!』なら、一目でいなくなったペットを探している、とわかってもらえると思うが
『はっとりくん!はっとりくん!どこっ!?』である。
ちっともお洒落じゃないユニクロのパーカーか何かの部屋着にツッカケを履いた、どスッピンのおばさんが
半泣きで『はっとりくん』と連呼している。
どう見ても服部君という年下の恋人に捨てられてパニクっている可哀想なおばさんじゃないだろうか…。
いずれにしてもそばを通りかかった人が「どうしました?ネコちゃんですか?一緒に探してさしあげましょうか。」とは言い出しにくいような
どう見積もっても美しくない光景であったことは間違いない。
もちろんその後ハタと我にかえり自室に戻ると
はっとりくんはいつもどおり玄関で飛びかかるようにして出迎えてくれた。
この一件があってから、というわけでもないが
『はっとりくん』はいつの間にか『ハチ』『ハッチ』『はっちゃん』と皆から呼ばれるようになった。
だいたい『はっとりくん』を丁寧に呼ぼうとすると『はっとりくん君』になってしまうのだし
人様の前では『ハチ』のほうが何かと誤解をされずにすむというものだ。
でも
『はっとりくん』…結構気に入っているんだけどな。

コメント

  1. kinsuimi より:

    あの時の自分の形相は客観的に考えてかなり怖かったと思うわ~。
    百年どころか千年の恋も確実にさめる。

  2. ちどり より:

    どはははは
    大爆笑~~
    ぱにくってる姿が目に浮かんだわ
    ひーーー
    お腹が痛い
    鼻の奥が痛い(なんでや)
    ハチ
    愛されてるね~

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